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レバノン 吹き荒れる冬の嵐

2015年1月 9日

冷気、強風、そして雪をともなう激しい冬の嵐が、中東で吹き荒れている。今年レバノンは例年にない大雪に見舞われ、ベカー渓谷で避難生活を送る40万人以上の難民は、凍てつく寒さに耐えている。ベカー渓谷では、廃墟をはじめ、ガレージ、物置、アパート、簡易的な避難所などでなんとか生活している。中でも屋外に作られた簡易的な避難所での生活は最も厳しく、間に合わせの家の屋根は雪の重さで崩れてしまいそうだ。

冬の緊急支援物資は届いているが、課題は山積みである。UNHCRは最善を尽くしているが生活環境は過酷を極め、また難民が散在しているため支援を届けにくい状況にあり、事態は一刻を争う。冬の間、1700ヶ所で避難する難民が安全に暖かく過ごし、激しい嵐を生き抜くためにも、支援物資を届けるという試みが続けられる。

写真報道家のアンドリュー・マッコーネルは2日間ベカー渓谷に滞在し、避難の様子を写真におさめた。

南スーダン:長引く戦闘 増え続ける避難民

2014年12月30日

1995年に南北スーダンで戦闘が始まって以来、多くの家族が何世代にもわたり避難を続けてきた。スーダン内戦は1972年に一旦終息したが、1983年に再燃しその後2005年に和平合意が交わされるまでの22年もの間、混乱が続いた。南スーダンは2005年の和平合意を受け、2011年に独立した。

しかし平和な時間は長く続かなかった。2013年、武力を背景にした政治闘争が新たに勃発し南スーダンの人口1100万人のうち、190万人が家を追われた。家を追われた人のうち140万人が南スーダン国内で避難を強いられている。逃れた人たちは木の棒と防水シートで出来たかろうじての避難小屋で子どもや孫など3世代から4世代が同居している。

南スーダンの都市ボル にほど近いレイク州のミングカマン(Mingkaman)に大きな避難場所がある。首都ジュバからナイル川を船で上り、数時間の場所に位置するこの場所で10万人以上が生活している。写真家アンドリュー・マッコーネルがミングカマンを訪れ6家族の姿を追った。

庇護を求めEUを目指す人が増加

2014年12月24日

2014年はこれまでに約20万人がEU(欧州連合)加盟国に非正規のルートで入国した。その多くが命の危険を冒して地中海を渡って入国している。EU加盟国であるハンガリーと、加盟国ではないセルビアの国境付近には、アフガニスタンやシリア出身者が多くとどまっている。彼らはUHNCRのスタッフに、紛争と迫害を逃れ、欧州に庇護を求めてやってきた経緯を訴えた。不正入国を斡旋する業者を介してハンガリーへ入国するために、廃墟と化したセルビアのレンガ工場に待機している人々がいる。その一方で、ハンガリーに不法に入国しようと試みた人々がハンガリー南東部にある留置所に一時的に身柄を拘束されている。

フランスの港 カレー:寒さ、飢えとのたたかい

2014年12月15日

海を隔てて英国に近いフランスの港カレーには移民と庇護申請者が押し寄せる。これは何年も前から見られる現象で、より良い職や生活を求めて英国へ渡りたいという希望を胸に多くの人がやってくる。カレーにくる人々は、ごみごみした仮設のキャンプで、飢えと寒さに耐えなければならない。英国行きのフェリーで見つからないように乗りこむため、何ヶ月もその機会を待ち続ける人もいる。

カレーに留まっている人の多くがアフガニスタン、エリトリア、イラク、スーダン、シリア  といった国で迫害を受けて逃れて来た。このような人々はフランスで庇護申請をする権利を持っているが、フランスには住む場所がないこと、困難な行政手続きや言葉の壁などを理由に英国へ行かざるを得ない状況である。先に渡航した家族が英国で待っているという場合も多い。

冬が到来し、カレーでの状況は厳しさを増している。これを受け、フランス政府は施設を開放し、女性と子どもを対象に滞在場所の提供を行なっている。UNHCRは特に多くの男性がシェルターがない状態で生活していることを憂慮している。このフォトギャラリーは写真家ジュリアン・ペブレル(Julien Pebrel)がカレーを訪れ、その様子を収めたものである。

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