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パリより愛をこめて シリア難民の子どもたちにおもちゃを

2013年5月10日

毎年パリのケ・ブランリー美術館ではパリ市内の子どもたちからおもちゃを集め、UNHCRを通して難民の子どもたちにプレゼントしている。

今年のプレゼントの送り先は140万人を超えるシリア難民の最大の受け入れ国の一つ、トルコにある2つの難民キャンプの子どもたちだ。子どもたちの多くは心に傷を負い、大切にしていた所持品はシリアの瓦礫の中に埋まっている。

先週、美術館のスタッフ、UNHCRの職員、フランスのボランティア組織が、集められたおもちゃおよそ60箱を国境なき航空団(Aviation Sans Frontières)を通してトルコ、ガズィアンテプ県ニジップにある2つの難民キャンプの子どもたちに送った。

パリに住む子どもたちから届けられた贈り物は、シリア難民の子どもの心に光をともした。また難民は決して孤立しているのではなく、世界中の人々と心はつながっている、という証にもなった。

シリア難民の子どもたちにおもちゃを届けるこれらの写真は写真家アイタック・アカッド(Aytac Akad)とUNHCRの職員セリン・ウナル(Selin Unal)によって撮影された。

故郷への長い道のり ティンブクトゥへの帰還

2013年4月22日

去年4月、マリ北部でトゥアレグ反政府勢力が古都ティンブクトゥを占拠したのを機に、紛争が始まった。軍の支配下に置かれた町では、厳しいイスラム法の遵守が課せられた。女性は外でベールを着用することを強要され、不貞には鞭打ちや石打ちの罰が与えられ、物を盗む者は手を切断され、何百年も崇められていた霊廟も破壊された。

数千人がティンブクトゥからマリ南部の首都バマコに避難した。4人の子どもの母親であるファティマ・ニアリーさんは、ティンブクトゥの家にとどまり続けることに危機感を感じたため、南部へと避難することを決めた。バマコでファティマは、生後1ヶ月の息子を含む子どもたちと共に、親戚の兄の一部屋を使うことが出来た。フランス軍とマリ軍によりティンブクトゥが開放された直後の2013年の2月、ファティマは子供たちと一緒に帰還することを選んだ。これは写真家のトマス・マルティネスがファティマたちの帰還をカメラで記録したものである。

6階の住人:ヨルダンの都市に住む難民

2013年4月10日

難民と聞くと、広いところにいくつものテントが立ち並ぶ難民キャンプを思い浮かべる人が多いだろう。しかし実際は、世界の難民の半分以上が、保護や支援が充分に行き届かない都市部に避難している。

それはヨルダンでも当てはまる。多くのシリア難民は国境近くのキャンプではなく、首都アンマンなどの都市部で避難する場所を探す。UNHCRはそういった都市部で避難生活を続ける1万1000人のシリア難民とその家族に金銭的支援を行っているが、資金不足のために支援の継続が困難になりつつある。

写真家ブライアン・ソコルが撮ったこれらの写真は、アンマンにある一見普通のビルの6階で避難生活を送る8家族の姿をおさめたものである。命を守るため、医療を受けるためにシリアから避難してきた人びとだ。季節は厳しい寒さが到来しつつある冬。写真は寒さと貧困がどれだけ厳しいものであるか、また外国人が見知らぬ土地で生活する困難を写し出している。

本人の希望により、写真は人物が特定出来ないよう配慮し、名前は偽名を使用した。シリア危機が長期化することは、彼らを初めとする100万人のシリア難民の試練が長期化することを意味する。

一番大切なもの:シリア難民編

2013年3月28日

故郷を離れ他の国に避難しなければならないとしたら、何を持って逃げますか? 

100万人以上のシリア人がヨルダン、レバノン、トルコ、イラク、その他のシリア周辺国に向けて危険な旅に出る前に、この問いと向き合わなければならなかった。

これは、世界の様々な場所で難民に対して「故郷から持ってきた一番大切なものは?」と聞くプロジェクトの2回目である。1回目はスーダンから南スーダンへの避難民に焦点を当てた。彼らは主に避難の道のりで必要ななべや水筒などを抱えていた。

それとは対照的に、シリアの紛争地から避難した人たちは、国境に向かう際、真の意図を悟られないよう、まるで週末のドライブや家族での楽しい外出かのように見せかけていた。それ故に彼らが故郷から持ち出したものは、鍵や紙、ブレスレットなどの着用できるものかポケットに隠せるものが多かった。信仰の象徴となるものを手にする人や、故郷の思い出や幸せだったときを思い出せる物を手にしっかりと握り締める人もいた。

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