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イラクのパレスチナ難民： イラクに留まるパレスチナ人1万5000人の希望のない未来
イラクでサダム・フセイン体制が崩壊した2003年以降、 バクダッドのパレスチナ難民はますます拘束、誘拐、 脅迫や殺人のターゲットになっており、その結果何千人もの人々が バグダッドから脱出した。
イラクにはまだ推定1万5000人のパレスチナ人がいるが、 その数は2003年の人数の倍以上であ る。 彼らは絶え間ない恐怖の中で過ごしており、 その中の多くの者には身分を示すしっかりした書類もない。 イラクから去ろうとする者にとって、シリアや ヨルダンの国境への移動はますます危険なものになっている。 数百人がイラクとシリアの国境に留まっているが、 彼らは恐怖のためにもとの場所に戻れないし、国境を渡ることもできないでいる。 イラクを何とか去っていく者もいるが、彼らはしばしば不法な手段に頼っている。
パレスチナ人に対して暫定的でも人道的な解決方法を考え出すには国際的な支援 が至急必要となる。UNHCR、その地域における国際社会、各国にパレスチナ人に 庇護を与えるように繰り返し要求してきた。
また、UNHCRは第三国定住国にアプローチしているが、 好意的な反応を示しているのはカナダとシリアのみであ る。 シリアはその後、他の絶望的なパレスチナ人に対しては国境を閉ざしている。
シリアに避難するイラク難民
イラクにおける暴力が蔓延しているにもかかわらず、故郷を追われる大量の人々への国際的な人道的対応が欠如していることに、UNHCRなどは頭を悩ませている。昨年11月の評価ミッションを受けて、UNHCR職員は2002-3年の想定を上回る規模の人道危機に直面していると警告した。しかし、UNHCRとその他の機関には、増加する避難民を対処する資金が決定的に欠けている。
資金面での巨大なギャップを埋めようと、UNHCRは、2007年1月、6000万米ドルを費やして、シリア、ヨルダン、レバノン、エジプト、トルコなどにいるイラク人難民に加え、イラク人以外の難民あるいは紛争で引き裂かれたイラク国内の避難民への保護と支援にあたる計画を開始した。
イラク紛争が長引くほど、イラク国内外での数十万人の避難民と彼らを受け入れようとするコミュニティは困難な状況となる。受け入れコミュニティや地方政府の負担は極めて大きく、国際社会が人道支援を支えることは不可欠である。
バングラデシュの無国籍者：ビハール人
しばしば「立ち往生しているパキスタン人」と呼ばれるおよそ24万人のビハール人たちは、バングラデシュ国内116か所にあるごみごみした居住地の驚くほど劣悪な環境の下、過去35年間を過ごしてきた。彼らの市民としての地位は不確かで、普通の生活を送る望みが薄い状況にある。
ウルドゥー語を話し、ムスリム系少数民族であるビハール人の苦境は、彼らが1947年のインド独立時に、ビハール州から当時の東パキスタンへ移住してきたことに始まる。東西パキスタン間の内戦下で、自らをパキスタン人とみなすビハール人が東パキスタンに住んでいたことが彼らの運命の明暗を分けた。1971年に東パキスタンは独立してバングラデシュとなるが、バングラデシュとパキスタン両国がビハール人の市民権を認めず、ビハール人たちは無国籍者となってしまった。しかし、生まれた年が独立前か独立後に関わらずビハール人はバングラデシュ人とみなされるべきであるとした重要な判決が2003年にバングラデシュ高等裁判所によって出され、解決に向けた希望が見えはじめた。
世界には現在1100万人もの無国籍者が存在する。市民権を持たない人々は、事実上法的にあいまいな状態に置かれてしまい、きわめて限定された基本的権利しか受けることができないのが実情である。
チャドの国内避難民
11月4日以来、ダルフールの国境一帯で起きた虐殺を思わせるような荒廃と同様、チャド東部の約20か所の村が拠点を持たない武装勢力により攻撃、略奪、焼き討ちにあった。数百人が殺害され、さらに多くの人々が傷つき、少なくとも1万5000人が故郷を追われた。
約7000人が木陰やあらゆる場所で避難場所を求めてゴズ・ベイダの町に逃れてきた。治安状況により、UNHCRは救援物資を配布する。UNHCRはすでに新たにハビラキャンプに到着した国内避難民に対し、ビニールシート、マットレス、毛布、医薬品を支給している。UNHCRは新たにたどりついた人々のための一時的な用地を確保し、当面ハビラキャンプ内の給水所の数を増やす予定である。
地域の悪化した治安や難民、避難民を支援するUNHCRの活動に影響を及ぼす状況が非常に懸念されている。現在チャドには9万人の避難民とチャド東部の12か所のキャンプに避難するダルフール地方からの難民21万8000人がいる。