環境

 

難民が快適に暮らすには、好ましい環境が必要です。難民キャンプ周辺の環境が悪化すれば、難民キャンプがある地域社会との摩擦を生むことにもなり、難民を受け入れた国の難民政策に大きな影響を与えることになります。

したがって、緊急事態の最初から、環境問題への配慮が必要となります。難民キャンプの場所や設計、緊急事態用住居の建設、地元にある資源の利用は、環境に大きな影響を与えます。ですから、環境への配慮はUNHCRにとって重要な課題で、環境への影響をできるだけ小さくすることが望まれています。

環境の保全を通じて、難民と地元住民の生活を守るためには、まず用地選びが大切です。環境保護が必要な場所を避け、これまでの自然状態をできるだけ保つようにします。キャンプも、できるだけ規模を小さくすることが望まれます。キャンプ内でも、例えば、調理の場所を一カ所に集めるように設計すれば、調理場などが共有でき、燃料消費も押さえられます。住居の設計も、暑さや寒さを計算して設計しておけば、必要な燃料も節約できます。

薪(たきぎ)を集めるときも、明確なルールを決めておけば、資源を尊重することができ、環境問題に対する難民自身の意識の高まりにつながります。UNHCRなどの援助機関が薪を調達することは、難民の自立を損なうため、出きるだけ行わないようにします。あくまでも持続可能な伐採が行われていることが求められます。

UNHCRはまた、難民の女性や子どもと環境問題を関連させて考えています。農業用地の計画や水や衛生の問題は、女性や子どもの家事労働と切り離せません。天然資源を保存しながら、衛生的で安全な難民キャンプを維持することは、大きな課題です。

環境への取り組みは、難民ばかりでなく、地域の人たちの参加も重要です。UNHCRでは、大人だけではなく、子どもにも、環境問題に関する教育を提供する一方で、世界各地で植林活動などをしています。

ツクル(ソマリアの典型的な家)の材木を運ぶソマリア難民女性。
UNHCR/B. Press

環境に与える影響を軽減するため、燃料効率の良い調理コンロが導入された。
UNHCR/B. PRESS

• 今すぐご寄付 • ・ ジュネーブ本部 ・ ・ 国連UNHCR協会 ・ ・ お問い合わせ ・