子どもたち

 

スーダン難民の子どもたち
UNHCR/M.Awa

命の危険を逃れて身の安全が確保されたとはいえ、難民キャンプにたどりつくまでに経験したつらい出来事や恐怖心は、子どもたちの心に深い傷を負わせます。また、戦争から逃げる途中で家族を失っただけではなく、難民キャンプでの生活の中で、家族と離ればなれになってしまった子どももいます。自由の少ない難民キャンプでは、当たり前に思われる子どもとしての生活を営むことができないのです。

■一人ぼっちの子ども 難民の子どもは、紛争や迫害から逃れるとき、家族と離ればなれになってしまうことがあります。アフリカ諸国や旧ユーゴスラビア地域では、こうした一人ぼっちの子どもがたくさん発生してしまいました。UNHCRは国連の他の機関やNGOと協力して、こうした子どもたちを積極的に支援し、家族を見つけ出したり、里親を探しています。また、難民キャンプでの登録や適切な法的保護を与えています。

■性の搾取、虐待、暴力 人口が過密したキャンプでは性的搾取が行われ、少女だけではなく、ときには少年もその被害を受けることがあります。2000年5月には、国連特別総会で子どもの性の商品化の問題が取り上げられ、女性への暴力とあわせて、地域の政府が子どもを性暴力から守るための積極的な対策を講ずるよう求められました。 AIDS/HIVの蔓延を防ぐためにも、その予防と文化的慣習にとらわれない性教育の実施に努めています。

■子ども兵士 若い難民のうち、特に少年は武装集団や反乱軍の活動に従事させられることがあります。シエラレオネで反政府軍に加わっていた子ども兵士のうち、最年少の少年はわずか8歳でした。 UNHCRは、武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利選択議定書に基づき、この問題に積極的に取り組み、子ども兵士に反対する方針を打ち出しています。 子ども兵士だった少年は、心に深い傷を負っています。また、その過去ゆえに家族と離れ離れになったり、教育を受けていないため、自分がやりたい仕事をすることもできません。こうした元兵士だった子どもに対する心のケアや教育、職業訓練を行う必要があります。

■若者へのケア いわゆる思春期の子どもたちが抱える問題は、幼い子どもに対する問題とは異なります。十代の子どもには教育や職業訓練、リクリエーションや性教育、HIV/AIDSについての知識、また、暴力や虐待についてのプログラムも必要とされています。

朝食を作るヒバク
UNHCR/S. Nonaka

ヒバク(9歳):ソマリア出身

ヒバクは毎日家族のために水汲みに行く。水汲みは彼女の役目だ。1日ひとりあたり最低10リットルが必要とされているが、彼女の小さな腕は5リットル汲むのが精一杯だ。 ヒバクは、1日7回、片道2キロの道のりを歩いて水を運ぶ。

ソマリアの少年兵(1996年)
UNICEF/G. PIROZZI

子ども兵士:シエラレオネ

シエラレオネの孤児センターには、かつて兵士だった子どもたちが多数いる。彼らの多くが一般市民を殺害した経験があり、麻薬中毒者だ。7歳のときに拉致された16歳の少女は、銃を使ったことを認めたが、それ以上は答えない。

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