1954年、UNHCRはヨーロッパにおける革新的な活動を評価され、ノーベル賞を受賞しました。
しかし、その後すぐに次なる深刻な緊急事態に直面します。
1956年、ハンガリー動乱で20万人が隣国のオーストリアに避難しました。UNHCRはハンガリー人を事実上の難民と認定し、第三国定住に向けた支援に力を注ぎます。ハンガリー動乱による混乱での経験は人道支援団体の支援のあり方の礎となり、その後も引き継がれています。
1960年代にはアフリカ諸国の独立により、アフリカ大陸で初めて起こった大規模な難民危機に対応し、同時に、アジアやラテンアメリカにおいても難民支援に取り組みました。1981年には、世界規模での難民支援が評価され、UNHCRは2度目のノーベル賞を受賞しました。
21世紀になってからも、UNHCRはアフリカ、中東、アジアで発生した難民危機への対応を続けています。UNHCRの専門性を生かし、紛争で家を追われた国内避難民、そして無国籍者への支援にも活動範囲を広げました。アフリカやラテンアメリカなど一部の地域では、1951年当時のマンデートが地域レベルの法的文書の合意により強化されました。
現在、UNHCRは世界約135カ国で活動しており、約12,000人の職員が働いています。設立当初30万米ドルだった予算は2019年には86億米ドルに増加しましたが、難民問題の規模は拡大を続けており、活動に必要な資金が不足しています。