「難民認定」という言葉は、いかにも法学的でとっつきにくいところがあります。しかしながら、それは人間、それも通常は大変な苦境に陥っている人間に関わるものです。簡単にいえば、難民認定とは「Xさんは難民か」という問いに対する答えです。
難民認定とは、難民申請を提出した者や他の方法で国際保護の必要性を表明した者が実際に難民であるか否かについて、政府当局(場合によっては UNHCR)が審査することを意味します。すなわち、その者の置かれている状態が適用可能な難民の定義(難民条約や各国の国内法)に規定されている基準に当てはまるか否かを審査することです。難民は滞在国やUNHCRによる難民認定の効力によって難民となるのではなく、その者が難民であるから難民と認定されるのです。言い換えれば、認定は宣言的な性質を持つのです。つまり、認定とはある者が難民であることを正式に認め、確認することです。
難民の定義に該当する者を認定し、難民が実際に国際保護を受け、その地位に付随する権利と資格を享受することを確保する第一義的な責任は、その者が庇護を求めた国にあります。
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