ミャンマーから逃れたバー・メー
「より良い人生を」孫に託す希望
バー・メー(77歳)
私はとても若いときに結婚したの。結婚式のとき、初めてお互いを見てこう言ったのを覚えています。「あなたはハンサムで男らしいわ」「君はとても細いね」二人ともシャイであまり話しが出来なかったわ。
これまでの人生、良い時も悪い時もありました。ある日村に兵士が現れて火を放ち、私達は持っていた財産全てを失いました。山や川を越え、命からがら避難しました。鍋、斧、炭、米をかごに詰め込んで、子どもと一緒に走って逃げたんです。
この時はちょうど長女を産んだばかりで大変でした。娘を学校に通わせたかったけれど、それは叶わなかった。キャンプで育った長女は結婚し、今は孫もいます。孫はキャンプ内にある学校に通えているので本当に嬉しい。教育は大事なので勉強を続けて欲しいと願っています。
避難した時はすぐに村に戻れると思っていたけれど、結局キャンプで20年避難生活を送ることになってしまいました。
バー・メーがミャンマーのカヤー州から逃れたのは1996年のこと。ミャンマーの少数民族カレニーであるバー・メーの家族はカヤー州に戻ることが出来ず、タイ北部にある難民キャンプで3世代にわたって避難生活を送っています。
いつか故郷へ帰りたいという夢が叶わないままバー・メーの夫は昨年亡くなりました。子どもたちや孫は第三国定住で米国などへ渡りました。バー・メーは亡き夫のお墓から離れたくないとタイにとどまる事を希望し、今もタイの難民キャンプで生活しています。
[To be filled]