<イベントレポート>「世界難民の日」から踏み出す #難民と進むワンステップ

© UNHCR/LIFE.14

6月20日は「世界難民の日」。難民問題の解決に向けて、世界全体が思いをひとつにする日です。

日本各地でも、難民に思いをはせる1日にしたい―。そんな私たちの思いを受けて、北は北海道から南は長崎まで、全国の皆さんのご協力を得て、15カ所のモニュメントが国連ブルーに染まることになりました。

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2019年「世界難民の日」の最初のイベントは、上智大学主催の国連Weeks。UNHCR親善大使MIYAVIがゲストスピーカーとして登壇し、これまで自身が出会った難民たちのエピソードを紹介しました。

実は、前日夜にバングラデシュから戻ったばかりのMIYAVI。ロヒンギャ難民キャンプの若者グループのボランティア活動、夜の難民キャンプに灯された明かりの様子など、1年半ぶり、2度目の訪問で見たリアルを熱を込めて語りました。

また、今年3月に訪問したケニアで一緒にプレーした難民サッカーチームの選手たちの身体能力の高さ、現金支給を通じた支援なども紹介。後半は上智大学の小松太郎教授、4年生の日比野桜子さんも加わり、世界の難民の半分を占める子どもへの教育、受け入れコミュニティに対する支援などにも話がおよびました。

MIYAVIは会場に集まった学生に向けて、「みんなそれぞれの役割があり、今はなにもやらないという選択肢もある。タイミングが来た時にパワーを発揮できるよう学び続ける姿勢が大切」と呼びかけました。

© UNHCR/LIFE.14

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日没後には、全国15カ所のモニュメントが一斉に国連ブルーに。各地の様子がSNSで続々とシェアされました。上智大学でも特別にキャンパスの一部がブルーにライトアップされました。

東京では、東京スカイツリーを背景にMIYAVIがFacebookライブを行い、「難民問題を日本の問題としてとらえることは難しいかもしれない。でも、たとえ小さな一歩でも未来につながるということを意識してほしい」と訴えました。

                   全国のライトアップの様子

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6月22日は東京スカイツリータウン1F ソラマチひろばで、UNHCR駐日事務所、国連UNHCR協会が「知る」「広める」「参加する」をテーマにイベントを開催。難民の生活を少しでも身近に感じてもらえればと、現場で導入予定の最新型の家族用テントを設営しました。梅雨のまっただ中、雨が降ったりやんだりの天候でしたが、大人から子どもまで多くの方がテントの中に入り、実際に使われている調理器具や毛布、バケツなどについての説明に熱心に耳を傾けていました。

テントのそばでは、UNHCRのグローバルパートナーであるユニクロが「全商品リサイクル活動」で回収した服がどのように難民支援の現場に届くのか、実物の展示やクイズで紹介。

午後には、東京スカイツリーの公式マスコットキャラクターのソラカラちゃんが遊びに来て、会場を盛り上げてくれました。

UNHCRが世界で展開している「難民と進む20億キロメートル」との連動企画も。そのひとつが「生きのびろ!96キロの旅~スタンプラリーで難民体験~」。南スーダンの小さな村で育った6歳の女の子が安全を求めてウガンダまで避難する道のりを、スタンプラリーで疑似体験してもらうというもの。難民のストーリーに自身を重ねながらスカイツリータウンの6カ所のポイントを回り、たくさんの親子連れがゴールまでたどり着いてくれました。

もうひとつが、2016ミスユニバースジャパンファイナリストの高橋未来さんによるウォーキングレッスン。“健康に美しく歩く”コツを分かりやすく実演し、会場に集まった人たちも姿勢を正して、1歩、2歩と歩きながら練習しました。「大好きな映画に出ているイギリスの女優さんが国連の活動に熱心に取り組んでいて、昔からあこがれていたんです」という高橋さん。「いつか自分もと目標にしてきましたが、このような形で参加できてうれしい」と話してくれました。

最後はミス・グランド・ジャパン2019ファイナリストの皆さんを迎えて、19時半の点灯に向けてカウントダウン。暗闇の中、国連ブルーに染まっていく東京スカイツリーを見上げ、会場に集まった方々との一体感が生まれた1日となりました。

多くの関係者のご協力を得て実現した2019年の「世界難民の日」のイベント。この日をきっかけに、日本社会が一つになって難民問題に取り組んでいけるよう、UNHCRも日々の活動を進めていきます。

                 会場の皆さんとカウントダウンしました

 

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