アンジェリーナ・ジョリー、ボスニアで強制退去を強いられた人への対応を訴える
ジュネーブ(6日)発
UNHCR親善大使のアンジェリーナ・ジョリーは、ボスニアへの訪問を終え、ボスニア戦争により退去を余儀なくされ、現在も苦しみ続けている被害者への対応の必要性を訴えた。
アンジェリーナ・ジョリーUNHCR親善大使は、パートナーのブラッド・ピットとともに5日、ボスニア・ヘルツェゴビナの、国内避難民や帰還民を訪問した。11万3千人もの家を追われた人や、クロアチアから逃れてきた7,000人の難民の苦境にたたされている現実を訴えるため、彼女は最新の映画撮影の合間に、ボスニアを訪れた。避難センターに住む人の多くは、いまだ悲惨な状況におかれている。
アンジェリーナ・ジョリーUNHCR親善大使はまずゴラジュデ(Gorazde)の町の老朽した避難センターで、少ない支援と大きな無力感に圧倒されながら生活している避難民を訪ねた。さらに、ローガツィカ(Rogatica)の町へ移動し、水道など公共設備にも事欠く避難センターも訪問した。
「避難民に会って話を聞いた今、最も弱い立場にある人のあたりまえの幸せに焦点を当てることの必要性を強調はせずにはいられない」とジョリー親善大使は訴え、「私たちは、避難生活を終わらせ、質の高い生活を確保することで、発展や長期的な安定を促す手助けができる」と主張した。
ジョリー親善大使は、国内避難民として戦争中にレイプや暴力に苦しんだ女性たちに出会った。また戦争でもっとも被害を受けた地域に帰還をし、生活を再建しようとしている家族とも交流をした。この家族は、家は建てたものの水や電気などの公共設備が整わず、両親と4人の子どもたち3キロメートル離れた親戚の家にお世話になっている。
ジョリー親善大使は、忘れられつつある長期化した状況に対する意識を深めることを約束し、この美しい国にまた戻り、政府の代表者と解決策について話し合いを希望することを明らかにした。
将来を見据え「現在ボスニア・ヘルツェゴビナは、避難民問題を終結させることで前進する機会を得ており、またEU加盟の過程においてもよりよい後押しとなるだろう。その実現のために決断を下す最終的な責任は、地域の指導者たちにかかっている。」と述べた。
ボスニア・ヘルツェゴビナでの紛争により、220万人の避難民が発生し、第二次世界大戦後ヨーロッパで最も人数の多い強制退去の事例となった。
現在100万人以上が、UNHCRのもと行われている帰還・再建・復興のプロセスにより、ボスニア全土より故郷に戻ってきている。依然、退去を強いられている多くは、年配や病気の人である。彼・彼女には病院などの施設の設置など、特別の配慮が必要である。
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