シリア紛争を逃れたソラフ
夢はアメリカに住んで、大好きなスポーツを思いっきり楽しむこと
ソラフ(9歳)
私は、シリア南部のボスラという町で生まれました。茶色いドアが目印の大きな家に住んでいて、庭にはオリーブやレモン、オレンジ、りんごなどの木が植えられていました。私たち家族はそこでバジルやタイムなど数種類のハーブと、茄子などの野菜を育てていました。
そんな平和な日々は、ミサイルが家の屋根に落ちた日に突然終わりました。避難していたモスクも爆撃を受け、行き場を失った私たち家族は、こうしてヨルダンに逃れてきました。
ソラフは、難民キャンプでの生活があまり好きではないと言います。
「電気もないし、夜はソーラーランタンの灯りだけが頼りなのに、それも30分で消えちゃうんだ。電気があれば、テレビだって観られるのに。ううん、やっぱりパソコンかな!パソコンでテレビが観たいの」
「学校がないときにはいつも、友達とスポーツをして遊んでいたわ。テコンドーを習っているから、お兄ちゃんがいなくても自分のことは自分で守れるの。もう少しで開脚だってできるんだから」
そんなソラフの夢は、アメリカに行くことです。
「親戚の人がね、アメリカには大きなスーパーマーケットや立派な学校があって、普通の暮らしができるのよって教えてくれたの。学校で良い成績をとって、将来は医者になって大好きなお母さんの糖尿病を治してあげたい」
9歳のソラフはシリア難民として、両親と兄と共にヨルダンのアズラック難民キャンプで暮らしています。
シリアでの辛い経験を感じさせない、スポーツやジグソーパズルが得意な明るく活発な女の子です。お母さんの料理の手伝いが好きで、お気に入りのシーシュ・バラク(ラム肉餃子のヨーグルトソース煮込み)のレシピは、すらすらと言うことができます。
世界規模の人道危機を引き起こしているシリア紛争は6年目に入り、国を追われた480万人のシリア難民が今もヨルダンといった周辺国に避難しています。
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