ユニクロが第5回朝日企業市民賞をUNHCRなどへの支援を通じて受賞

エチオピアの難民キャンプに衣服を届けるユニクロ執行役員新田氏とCSR部小柴氏
© Shinsuke Kamioka

UNHCR東京(29日)発:

「タンスの中の不要な服をもう一度、着られるようにするのが本当のリサイクルだと思った。社会貢献も事業活動と同じで、継続や拡大再生産を大事にしている。」今月、企業の社会貢献活動を顕彰する朝日企業市民賞を受賞したユニクロの柳井正会長兼社長はこう語る。

始まりは2001年、同社の主力商品だったフリースを回収し、燃料化するリサイクル活動だったが、当初から柳井氏には全商品へ展開していくという構想があった。「世界をよい方向へ変えていく」という企業理念のもと、5年の準備期間を経て実現した全商品リサイクル活動は今年3月には91万点もの衣服を回収した。そのうち9割をエチオピアの難民キャンプ、ミャンマーへのサイクロン被災者への緊急救援物資として寄贈する活動に拡大している。

毎年2回(3月・9月)の各1ヶ月間、国内の約750の全店で回収した衣服は、委託業者により選別される。約9割に及ぶ再利用可能なものはさらに季節や男女別など12種類に分類され、UNHCRを通じて、現地のニーズに沿うよう難民キャンプに寄贈されている。これまでにタイ、ネパール、タンザニア、ウガンダなどのキャンプに届けられている。

[et_pb_image_caption admin_label=”Image with Caption” src=”http://www.unhcr.org/jp/wp-content/uploads/sites/34/2017/06/081029-894×504.jpg” caption=”ユニクロのT-shirtを着こなすエリトリア難民(エチオピア・2008年2月)” copyright=”Shinsuke Kamioka”] [/et_pb_image_caption]

店頭では回収箱を設置せず、お客様から店員が手渡しで受け取りお礼を言う。そして難民の手元に届けれたことを難民の笑顔とともにポスターやホームページなどを通してお客様に報告する

「モノだけでなく、人の思いも循環する活動にしたかったから」と語るCSR部の小柴氏。回を重ねるごとに増していく回収点数からその意図は消費者にも十分伝わっていることが伺える。