シリア難民の心を優しく包むユニクロの支援

ユニクロが店頭で着なくなった服を回収し、難民キャンプに送る支援活動をしているのをご存知の方は多いかもしれない。この冬ユニクロは、日本で集められた18万着をヨルダンで避難生活を送るシリア難民に贈った。

「このあたたかい服のおかげで何とか冬をのりきれそうです。服を届けてくださって心から感謝しています。」これはヨルダンにあるザータリ難民キャンプで、ユニクロの服を受けとったシリア難民の言葉だ。

[et_pb_image_caption admin_label=”Image with Caption” src=”http://www.unhcr.org/jp/wp-content/uploads/sites/34/2017/06/AAA0742.jpg” caption=”©Shinsuke Kamioka”] [/et_pb_image_caption]
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過酷な冬を耐え忍ぶシリア難民の姿は世界中のメディアでも取り上げられている。「なぜ私たちがこれほどまでに辛い目にあわなければならないのでしょう。子どもたちを見てください。寒くてもTシャツ一枚で、誰一人ちゃんとした靴を履いていない。靴下さえもないんです。」CNNは1月にイラクへと避難したシリア難民の声を伝えた。この報道からは、厳しい寒さにも関わらず防寒着を持たずに震える子どもたちの姿が伝わってくる。

難民キャンプでの生活は悪化の一途を辿っている。シリアの人々は周辺国であるヨルダン、レバノン、トルコ、イラク、エジプトへと命からがら逃れており、その数は118万人を超えた。シリア難民の数は、今年1月からは一日に5000人以上、2月は一日に8000人というペースで激的に増え続けている。その結果、難民キャンプに多くの人が一気に押し寄せ、一人ひとりに支援を行きわたらせるのが困難になっている。たとえばヨルダンにあるザータリ難民キャンプは現在約17万人の難民を受け入れているが、この数字は日々大きくなっている。

この緊急事態を受け、ユニクロは日本で回収された状態の良い中古の服をヨルダンとイラクにある難民キャンプへと送る支援活動を開始した。ヨルダンのザータリ難民キャンプでは、日本のNGO ジェン(JEN) と協働で服が配布されている。

今年2月、株式会社ファーストリテイリングCSR担当執行役員の新田幸弘氏はザータリ難民キャンプを訪れた。届いた荷物の荷解きや配布の状況、キャンプでの防寒対策を視察した感想をこのように述べた。

「これまでいくつかの難民キャンプを訪問しましたが、ザータリ難民キャンプは衣料支援の緊急度が極めて高く、寒さや、我々の訪問の1週間前に発生した大雨などで、人々の生活は衛生面、健康面でとても厳しい状況にありました。UNHCRやJENを通じて、すでに多くの衣料が配布されており、フリースやアウターなどが役立てられていました。一方で、難民の方々から、子ども服や下着が足りない、サイズが小さいといった要望もお聞きしました。こうした困難な状況が一刻も早く解決することを願うとともに、我々ができることに真摯に取組んでいきたいと強く感じました。」

UNHCR駐日事務所代表ヨハン・セルスは、「シリアの状況は大変厳しく、我々が行える支援をはるかに超える危機的状況に直面しています。ユニクロを展開しているファーストリテイリングとのグローバルパートナーシップの一環として、衣類を必要としている現場に衣類を届けるユニークな試みを実施していただき、2012年ユニクロは、世界中の難民に170万着もの服を届けました。シリア人道危機に対しては、ヨルダン、レバノン、トルコといったシリア難民を受け入れている周辺国をサポートするためにも、幅広い層の皆さんからの支援をお願いします。」と訴えた。

届けられた服のなかには子どもや赤ちゃんの服も含まれている。「汚れが目立たないから普段は色の濃い服を着ているんです。でも子どもたちには、明るい色の服を着せてあげたいです。」ザータリ難民キャンプで生活している母親はこんなふうに語る。

[et_pb_image_caption admin_label=”Image with Caption” src=”http://www.unhcr.org/jp/wp-content/uploads/sites/34/2017/06/AAA0561.jpg” caption=”©Shinsuke Kamioka” /]
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カラフルなユニクロの服が厳しい難民キャンプでの生活に明るさをもたらし、日常を彩る。日本から届けられた服は寒さから身を守るだけなく、そんな役目も果たしてくれる。ユニクロはこれからもヨルダンのシリア難民に服の支援を届ける予定だ。

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※特定非営利活動法人ジェン(JEN)はヨルダンにおけるUNHCRのパートナーです。