日本政府の資金協力、アフガン難民に新しい住まい

日本政府からの資金協力によって建てられた、一間の新しいシェルターの前で遊ぶアフガン難民の子供たち。パキスタン、ペシャワールのカザナ難民キャンプにて ©UNHCR. D.A. Khan

ペシャワール(113日)発

2010年に起きたパキスタン洪水で被害を受けたフカム・ビビさんの顔に笑顔が戻った。洪水から1年以上が経った今、やっと彼女のシェルターが完成を迎えたからだ。ビビさん一家は、日本政府からの資金協力によってUNHCRが実施しているシェルター建設事業によって、新たな住まいを手に入れる4,225組のアフガン難民家族の一つだ。

日本政府は、このシェルター建設事業を含むUNHCRによるパキスタン復興支援事業に5,900万ドルの資金協力を行い、洪水の影響を受けたパキスタン全土のパキスタン及びアフガン難民の支援を行っている。

UNHCRは日本政府から提供された資金を活用し、シェルター建設事業に加え、これまでに230万ドル相当のインフラ修復・復興事業を実施し、難民が生活する村落の教育や医療、水道・排水設備などの整備も行った。

洪水が家族を襲った2010年の7月の夜を思い出しながら、ビビさんは言う。「水が迫ってくるのはわかったけれど、雨が降っていなかったので、あれほどの洪水になるとは思っていなかった。」 ビビさん家族は水が引くまでの間、親戚の家で3ヶ月を過ごした。

現在50歳のビビさんには、1979年のソビエト連邦による侵攻に追われ、アフガニスタン東部にあるナンガルハル州の故郷から、隣国のパキスタンに逃れたという経緯がある。ビビさん一家は、水が引いた後の9月にカザナ難民キャンプに戻ったものの、住まいは大きく破損し、修繕の目途が立っていなかった。「修繕費を賄うことができない状況の中、UNHCRによるシェルターの提供は、天からの恵だった」とビビさんは語る。

UNHCR駐パキスタン代表の二ール・ライトは、日本政府からの資金協力に謝意を表明すると同時に、「日本はUNHCRの緊急人道支援のみならず、難民支援についても常に前向きに協力してくれる」と付け加えた。

建設予定のシェルターのうち94%以上が既に難民たちに提供され、残りのシェルターについても今年の3月までには完成を迎える予定。