ユニクロとUNHCR、アジア企業初となるグローバルパートナーシップへ

連携体制をこれまで以上に強めていくファーストリテイリングとUNHCR
© UNHCR/K.Saito

東京発 2月23日:

ユニクロ(株式会社ファーストリテイリング)とUNHCRは、グローバルパートナーシップの締結を合意した。本締結は、両者の連携体制を一層強め、全商品リサイクル活動はもちろん、より広い分野での難民・避難民問題の解決に向けた活動に取り組むきっかけとなった。

ユニクロとUNHCRがグローバルパートナーシップの締結合意に至った経緯については5年前の2006年にさかのぼる。
「材料」としてのリサイクルを考えたフリースの回収を2001年より開始していたユニクロは2006年、回収の対象をユニクロで販売する全商品に拡大。店頭で受け取る衣料の多くがまだまだ着られる状態であったことや、「服」は「服」のまま役立てたいという思いから難民キャンプへの支援活動を開始した。

UNHCR をはじめとした国際機関やNGO、NPOの協力のもとリサイクル・リユースする活動に取り組み、現在まで17カ国の難民・避難民に約312.2万点の衣料を届けている(2011年1月末現在)。難民・避難民問題の根本的な解決を目指すUNHCRは、本活動において、衣料の不足状況だけでなく、現地の情勢・宗教・文化などに関する詳細なニーズを調査し、現地まで適切に輸送するという役割を果たしてきたが、今後は3600万人以上いる世界の難民・避難民全員に衣料を届けることを目標としている。また本活動を通してユニクロは、服を寄贈する難民・避難民支援にとどまらず、自立へとつながる取組みの重要性と必要性を実感。

当日の記者会見では、柳井正 株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長に代わり、大苫直樹株式会社ファーストリテイリング上席執行役員は『衣食住の中で一番先に来る“衣”。衣類は人間が人間として人間らしく生きていく上で不可欠である』と柳井氏の本活動に対する思いを述べた上、『難民問題を自らの、そして自国の課題として関心を高めていく。』と、ファーストリテイリング社全体としての強い意志を表明した。

また衣類配布のため現地を訪問してきた新田幸弘 株式会社ファーストリテイリングCSR部長は活動をして感じた「服のチカラ」について語った。

ヨハン・セルス UNHCR駐日代表は『企業だけでなく、日本人一人ひとりが衣類回収などを通して、直接難民の支えとなることができる。』とアジアの企業で初めてとなるユニクロとパートナーシップに対して大きな期待を述べた。

今後両者は、より広い分野での難民・避難民問題の解決に向けた活動に取り組んでいくことを目指し、連携体制をこれまで以上に一層強めていく。