ソマリアから逃れたアマル
難民が新たな国で再出発する手助けがしたい
アマル・アリ(30歳)
私はスウェーデンで大学教育を受け、現在はノルウェーで歯科医をしています。患者の中には私と同じくらいかもしくは私よりも若い女性たちがいて、私が歯科医だと分かるとしきりに夢を話してくれます。何になりたいのか、どんなことを勉強したいのか、そしてどのような人生を送りたいのか、と。私は彼女たちがその夢に近づけるよう、全力でサポートしたいと思っています。
スウェーデンのことを、多くの機会に恵まれた国だと言う人がいます。そういう人たちは新たな目標を見つけ、どんなに辛いことがあろうとも、どのような壁にぶつかろうとも、その夢に向かってひたすら努力しています。
一方で、努力することを諦めてしまう人たちもいます。生活保護を受けながら、自分など何をやっても社会の一員として認めてもらうことはできないと感じてしまうのです。そういった人の中には周囲とのつながりが希薄な人が多いように感じます。
アマルは、新たな国で自分の居場所を見出せずにいる人たちの支援がしたいと言います。
「私は大学生のとき、ヒジャブを被り、1日に5回お祈りをする敬虔なイスラム教徒であると同時に優秀な学生である努力をしなければなりませんでした。それは決して簡単なことではなく、普通のスウェーデン人の何十倍もの努力を要しましたが、こうして歯科医になることができました。だから、それがどんなに困難なことであっても、あなたには成し遂げる力があるということを、新たな場所で希望を見出せずにいる難民の人々に伝えたいです」
アマル・アリは幼少時にソマリアからスウェーデンに逃れ、努力の末大学を卒業し、歯科医の免許を取得しました。昨年、スウェーデンのイェーテボリ からノルウェーのオスロに生活と仕事の拠点を移しました。オスロには多くのソマリア難民がおり、彼女の患者の大半を占めています。
将来はスウェーデンのイェーテボリに戻り、歯科医院を開くという夢があります。すべてのソマリア人がスウェーデンに来て、無料かつ高水準の教育を受ける機会に恵まれるわけではないため、アマルはその機会を得た者として、普通に働き納税する以上の努力をする必要があると言います。
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