国連難民高等弁務官事務所（UNHCR：The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees）は、第二次世界大戦後の1950年、避難を余儀なくされたり、家を失った何百万人ものヨーロッパ人を救うために設立されました。当初は3年で難民の救済活動を完了し、解散する見込みでした。
設立から67年が経った今日もUNHCRは、世界中の難民の保護や支援に活動に取り組んでいます。
みなさんの支援で、私たちは活動を続けることができています。
1954年、UNHCRはヨーロッパにおける革新的な活動を評価され、ノーベル賞を受賞しました。しかし、その後すぐに私たちは次なる重大な緊急事態に直面します。
1956年、ハンガリー革命で20万人が隣国のオーストリアに避難しました。UNHCRはハンガリー人を事実上の難民と認定し、難民の第三国定住支援に力を注ぎます。ハンガリー革命による混乱での経験は、人道支援団体の支援のその後のあり方を形づくりました。
1960年代には、アフリカ諸国の独立により、アフリカ大陸で初めて大規模な難民危機が起こりました。UNHCRは、アジアやラテンアメリカにおいても20年にわたり難民を支援しました。1981年には、世界規模で難民支援を行っていることが評価され、UNHCRは2度目のノーベル賞を受賞しました。
21世紀になってからも、UNHCRはアフリカ、中東そしてアジアにおける主要な難民危機を支援しています。また、UNHCRの専門知識を用いて紛争で家を追われた国内避難民への支援、そして無国籍者への支援にも活動範囲を広げました。アフリカやラテンアメリカなど一部の地域では、1951年当時のマンデートが地域レベルの法的文書の合意により強化されました。
UNHCRには現在、10,966人以上の職員がいます。世界130ヶ国に拠点があり、設立当初30万米ドルであった予算は、2016年には65億4000万米ドルへと増加しました。
2015年、UNHCRは設立65周年を迎えました。これまでに、5000万人以上の難民を新たな生活を再建できるように支援してきました。