アフリカ最大の難民危機、南スーダンから150万人強

UNHCRは南スーダンから周辺国に逃れた難民が150万人を超えたことへの懸念を表明しました。2013年12月に民族対立が始まって以降、150万人超の難民に加え、210万人が国内避難民として避難を余儀なくされています。アフリカ最大の難民危機であり、南スーダンは世界ではシリアとアフガニスタンに次ぐ3番目に大きい難民発生国となっています。
UNHCRは民族対立に関わる当事者に対し和平合意に向けた交渉を求めています。南スーダンからの難民はウガンダやエチオピア、スーダン、ケニア、コンゴ民主共和国、中央アフリカ共和国などの周辺国に避難しています。難民の増加により、周辺国の受け入れ施設では対応しきれないほどの数となっています。

南スーダンでは、2016年7月に政府と反政府勢力との間で新たな衝突が発生してから、緊張状態が続いています。2016年後半に衝突が激化したことから、昨年は76万人が国外に避難しました。毎月平均6万3000人が避難したことになります。2016年9月からの4ヶ月で約50万人が避難しました。南スーダンからの難民の60%以上が子どもで、多くが極度の栄養不良状態で逃れてきます。

ウガンダでは69万8000人、エチオピアが34万2000人、スーダンが30万5000人、ケニアが8万9000人、コンゴ民主共和国が6万8000人、中央アフリカ共和国が4900人を受け入れています。

周辺国に逃れた難民からは、政府と反政府勢力の衝突の激化、誘拐、レイプ、武装組織への恐怖などが報告されています。南スーダンからの難民は、周辺国の貧しいコミュニティが受け入れており、物資がひっ迫しています。

UNHCRは周辺国における南スーダン難民の受け入れを歓迎していますが、この大規模な難民危機に対応するための資金が不足していることを非常に懸念しています。UNHCRはドナー国に対し、南スーダンと周辺国での難民危機への支援拡大を要請しています。2016年は支援要請額の33%しか集まらず、飲用水や食糧の確保、衛生設備の設置などに影響が出て支援を継続する上でも危機的状況に陥っています。UNHCRは2017年、7億8200万米ドルの支援要請をしています。

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