女性

 

難民の約8割は子どもと女性で占められています。夫が兵士として連れて行かれたり、殺害されたりした女性は、家長として、子どもたちを養い、守っていかなければいけません。重度の栄養失調で苦しむ子どものために、3時間ごとに指示されたわずかな流動食を与え、付き添うのも母親の役目です。

また、少女も母親を手伝って、空の容器に水を汲んで運んだり、家族のために何キロも歩いて薪(たきぎ)を取りに出かけ、母親の料理の手伝いをしています。一方、キャンプでは一般の経済活動が禁止されるため、仕事のない父親たちはほとんど家の中で過ごしています

。しかし難民キャンプで生活する女性は、社会的差別だけではなく、暴力やレイプなど、身の危険を感じることもあります。逃げるときに、兵士やゲリラから受ける性暴力の可能性はもちろん、難民キャンプに入ってからも、キャンプの警備兵や同じ難民に襲われたり、脅かされたりしています。難民になったことで男の役割やその責任を果たせなくなった夫から、その苛立ちを暴力という形でぶつけられることもあります。

妊婦や授乳する女性は、鉄分やカルシウムなどの栄養不足に悩まされます。難民生活では、食糧は世帯主の男性に配給されるため、結果として食糧が女性の手へ渡らずに、男たちの手を経て反政府勢力の手に渡ったり、闇市場で売られることがあります。その上、病気で倒れても、子どもの面倒を見なくてはいけないために、治療を受けに行く暇もないのです。

UNHCRでは、難民女性のニーズに考慮して、自転車の修理や大工仕事など、収入を得るための職業訓練を提供しています。ソマリア難民の住むキャンプでは、難民女性協会が運営する簡易な喫茶店があります。UNHCRはこの協会を支援しています。

ケニアの難民キャンプで生活するスーダン難民の少女
UNHCR/W. STONE

タンザニアからの帰還の準備をすすめるブルンジ難民 UNHCR/L. Taylor

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