医療

 

緊急事態では、多くの人命が奪われ、多くの病人が生じます。その主な原因は、コレラ、肺炎、はしか、栄養失調、マラリアです。さらに不慣れな環境、貧困、将来への不安、人口の過密度、質・量ともに不十分な水、劣悪な衛生環境、不適切な住居、食料不足などの要因によって、病気にかかる確率はさらに高まります。

難民キャンプには保健センターを設置し(人口1万〜2万あたり1施設)、内科・産科・外科に対応する必要があります。それ以外にも、患者を保健センターに紹介するシステムが必要です。こうした保健・医療面については、国の保健当局やNGO、難民自身の協力が不可欠です。しかし資金不足のために、基本的な医薬品や医療器具などが不足しがちなのが現状です。

無力感や不安感という難民社会に蔓延しがちな心理状態は、性的暴力の増加やエイズなどの性感染症の拡大にも影響します。
女性への支援、例えば妊婦に対するケアや衛生用品の支給については、女性のニーズに基づいて提供されることが望まれます。妊婦には妊娠中にカウンセリングや診療などの支援を行い、出産には訓練を受けた医療関係者が立ち会うことが求められます。また、できるだけ難民の文化にあった衛生用品を女性に支給することが必要です。

UNHCRは、病気の治療だけではなく、予防も重視しています。幼児に対するハシカなどの予防接種は、緊急事態の初期に不可欠な唯一の免疫措置です。

また、身体だけではなく、心の支援も大切です。難民の文化や社会習慣を考慮して、長期的な支援が望まれます。

診察を受けるタジキスタン女性
UNHCR/A. HOLLMANN

診察を受けるスリランカ帰還民の子ども
UNHCR/H.J. Davies

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