コンゴの青年、軍への強制入隊を恐れウガンダへ避難

2012年12月28日 

ニャカバンデトランジットセンターにて、友人に散発をしてもらっているコンゴ人の若者。ウガンダに来る若者の多くは軍への強制入隊を恐れ避難してくる。 © UNHCR/F.Noy
© UNHCR/F.Noy
ニャカバンデトランジットセンターにて、友人に散発をしてもらっているコンゴ人の若者。ウガンダに来る若者の多くは軍への強制入隊を恐れ避難してくる。

2012年12月24日、ジュネーブ発

コンゴ民主共和国での内戦長期化に伴い、反政府武装勢力M23へ強制入隊をさせられる若者が増えている。強制入隊から逃れようと、現在多くの若者が隣国ウガンダへ避難している。ニャカバンデトランジットセンターのマーク、フィリップ、ジョージは20歳。彼らのような若者は健康な男子であることから、強制入隊のターゲットにされやすい。彼らもコンゴ東部で起きている紛争に巻き込まれることを恐れ、ウガンダへと避難した。

マークは今年の初めにウガンダに避難した。M23が強制的に軍に入隊させるため、若い男性を拉致しているという噂を耳にし、逃げたという。「校長先生が僕ら全員に逃げろと言った。家にも帰らずそのまま逃げたんだ。」マークは続ける。「ウガンダに向かう途中、コンゴ人にお金を取られてしまった。お金をもっていると国境を越えられないと言われて…。」彼の両親は2年前に紛争で亡くなっている。

若者の強制入隊を行っている武装集団は町の交流会を装った会合を開き、そこでグループに加入することを強制する。フィリップはこうした会合がが行われると聞き、直ちにウガンダとの国境へ向かった。

「友達が武装集団の幹部で、彼が、会合はグループへの勧誘が目的で、しかも自分が既にメンバーに登録されていることを教えてくれた。早く逃げたほうが良いと言われた」とジョージ。彼は自宅から一週間かけて国境までの道のりを歩いた。移動中は見つからないように隠れ続け、そのせいで時には道に迷った。「強制入隊が怖かった。国境まで歩き、茂みの中で眠り、物乞いをしたり、サトウキビを主食にして命をつないでいた。」ジョージは当時を振り返りながら答えてくれた。彼の友人の何人かは、どこかに連れて行かれてしまい心配だと語る。

最近、ニャカバンデのトランジットセンターへ強制入隊を恐れ逃げて来る若者が増えていている。10月は一日で平均115人がニャカバンデに避難し、その内7、8人は強制入隊から逃れるためにやって来た。

11月には避難民の数が減ったが、ゴマでの国軍とM23の関係の行き詰まりにより、今後若者の強制入隊が増える可能性がある。双方はウガンダの首都カンパラにて和平交渉を行ったが、結果はでておらずキブ北部では緊迫した状況が続く。

現在、3人の青年たちはニャカバンデセンターで安心して暮らしている。カウンセリングも受けることができるが、やはり彼らは一刻も早い家族との再会を願っている。

マークは、兄弟がウガンダに渡りセンターから350キロ離れたルワムワンジャ居住地にいることを知り、「弟と再会したい。もう僕には彼しか残っていない。」と話した。

彼らは全員、コンゴに戻りたいとは思っていない。勉強し、新しい人生を始めることを望んでいる。「もし機会があれば、ルワムワンジャの学校に通い、勉強を続けたい」とマークは語った。

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