沼田幹夫・駐ミャンマー特命全権大使 ラカイン州を視察

2014年1月23日 

ラカイン州のキャンプで避難民と面会する沼田大使(左) © UNHCR/M. Savary
© UNHCR/M. Savary
ラカイン州のキャンプで避難民と面会する沼田大使(左)

2014年1月23日、ミャンマー シットウェ発

沼田幹夫・駐ミャンマー特命全権大使が日本からの支援の成果を視察するためミャンマーのラカイン州を訪問した。1月20日から22日、3日間の日程でラカイン州における人道的支援、復興、開発の状況を視察した沼田大使は「実際に支援現場に足を運び、新たな発見があった」と述べた。

沼田大使は滞在中、ラカイン州で支援活動をおこなっているトイリー・クルバノフUNDPミャンマー事務所長、 伊藤礼樹UNHCRミャンマー事務所代表代行、 ドム・スカルペリWFPヤンゴン事務所長から活動についての説明を受けた。

今回沼田大使が訪問した目的は、日本からの支援がラカイン州においてどのような成果を出しているか視察するためである。日本政府はミャンマー国境地域にある少数民族地域の避難民に対する支援のため2013年3月、合計39億円(4080万米ドル)拠出した。これらの支援金をもとにUNDP、UNHCR、 WFPの3機関が支援活動を担っている。

2012年6月と10月に起こった暴動の結果、ラカイン州には人道支援を必要としている避難民が14万人いる。ラカイン州はミャンマーの中でも2番目に貧しい地域とされており、貧困ライン(1日約1ドル以下で生活している人)以下の人が45%いる。国単位で見ると25%であることを考慮すると支援が必要な地域であるといえる。国連機関とパートナー団体は人道的支援、復興、開発におけるニーズに対応するためミャンマー政府への支援を行ってきた。

支援活動は他の国連機関やNGOと協働で行なわれるが、UNHCRは主にシェルターの確保、食糧以外の生活必需品の配布、キャンプの設営と運営、避難民保護の分野を担当している。

滞在中沼田大使はシットウェにあるセットヨーチャー(Set Yoe Kya)避難民キャンプ、バードゥーパ(Baw Du Hpa)避難民キャンプ、ポクトータウンシップにあるスィンテットマー(Sin Tet Maw)避難民キャンプを視察した。

UNHCRはミャンマー国内にいる避難民に対してシェルターの提供、食糧以外の生活必需品の配布、避難民保護に関わる事象のモニタリングを行っている。スィンテットマー国内避難民キャンプでは最近起きた火災により、30ほどのキャンプ集落で500人以上が被害を受けた。沼田大使はこの火災の被災者とも面会した。沼田大使は視察後、ラカイン州の政府高官らとも面会する機会を得た。

伊藤礼樹UNHCRミャンマー事務所代表代行は「日本政府からの拠出はミャンマーの支援活動において大変価値のあるものです。この支援のおかげでラカイン州だけでなく、カチン州やミャンマー南東地域でも支援活動を行うことが可能になりました。日本政府からの寛大な寄付により、約48万もの人に対してより良いシェルター、水の供給と健康管理を行うことが出来ます」と述べた。

UNHCRはミャンマー政府から支援要請を受け、1994年にバングラデシュへ逃れていた難民の帰還支援をラカイン州で始めた。帰還民支援とともに、80万人の無国籍者の基本的人権を守るための活動も行ってきた。

ラカイン州での活動を担当しているUNHCRのオリバー・ムケットは「ラカイン州では暴力の犠牲になっている人や、無国籍者の支援を主におこなっている。これまでは人道支援を届ける活動をおこなってきたが、ラカイン州の避難民に対する持続可能な解決策を模索する必要がある」と述べた。

沼田大使は国際社会からの支援が後押しとなり、ミャンマー政府とラカイン州がともに困難を乗り越え、発展の機会を得られるよう願っていると表明した。

さらに国内避難民キャンプの視察後沼田大使は「国内避難民キャンプにおける生活は改善の余地がある。生きる上で必要最低限のものが確保され、持続可能な解決策が見出されなければこの地域全体の安定は望めない」と語った。沼田大使はラカイン州を支援している国際機関を引き続き支援していくと強調した。

 

在ミャンマー日本国大使館のプレスリリースはこちら

 

 

 

 

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