家族思い 強い信念 宇宙への夢
「困っている人がいたら助ける そんな人になりたい」
ヘシィーさん(青山学院大学 理工学部):「2006年に日本に来たので9年目になります。日本はきれいで安全で人々が優しいという印象です。また機械、ロボットといった分野での最先端のテクノロジーにも驚かされました。
もの作りと、宇宙に関心があったので、日本でもトップレベルの大学で機械工学を学べたら素晴らしいと思い青山学院大学を受験しました。授業ではJAXAの方の講義を受けたり、研究を発表する機会があります。学びの中にいつも新しい発見と感動があり。とても楽しいです。将来は今勉強していることをもとに、JAXAのような宇宙関係の仕事につくのが夢です。また日本に来てからNGO、大学、先生、学生、UNHCRといった様々な関係者にサポートしてもらいここまで来ました。だから自分も困っている人がいたら助ける、そんな人になりたいです。」
「人は生まれてくる国、性別、親などを選ぶことができません。たまたま生まれた場所などによって、生きる上での選択肢が限られることがあります。何かの、あるいは誰かの役に立ちたくても、それが叶わないこともあります。
私は日本に感謝していますが、母国に帰ることも出来ないし、日本ではやはり外国人です。国籍を証明するパスポートも持っていません。そういう意味では複雑な思いを抱えています。
日本は平和な国で、難民について身近に感じることは少ないかもしれません。でも本来はそれは素晴らしいことだと思います。考えなくても良いような世界を私たちが作り出せたらと思います。」
【RHEP(難民高等教育プログラム)とは? 】
RHEPとは、高等教育へアクセスのない難民に対して大学における4年間の学部教育の機会を提供するプログラムです。日本では関西学院大学、青山学院大学、および明治大学がこのプログラムを通して、日本に住む難民の学生を受け入れています。また今年5月、新たに津田塾大学がこのプログラムへの参加を表明しました。
現在、日本に滞在する難民の多くが経済的理由などのために、高等教育を断念せざるを得ない状況に置かれています。その結果、何らかの高等教育を受けた人に比べて雇用機会が限定されています。奨学金と生活費を支援するこのプログラムは、厳しい生活を送りながらも大学で知識や専門性を身につけたいと強く望む難民の学生に大きな希望を与えるものです。
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