努力家、故郷への思い、日本への感謝
「沢山勉強して今度は自分が助ける立場になりたい」
ジャファル・アタイさん(明治大学 国際日本学部):「日本に来たのは2009年です。アフガニスタンでの内戦を受け、5歳の頃に国内での避難生活が始まり、1998年パキスタンへと逃れました。その後治安の悪化を受け、より安全な場所を求めて日本へ避難しました。
安定した収入がなく生活も不安定だったため、大学で勉強したいと言える状況ではありませんでした。でもRHEP(難民高等教育プログラム)を知り、絶望が希望に変わったんです。
明治大学の国際日本学部を知った時は「これだ!」と思いました。世界との関わりの中で日本について勉強できる、まさに自分が関心のある分野でした。
日本の言語、平和、国際関係、宗教などを調べたり、議論したりしています。大学で勉強するのは大変かと思っていましたが、自分の意見を述べたり議論するのは本当に楽しいです。これまで多くの人に助けられた分、沢山勉強して今度は自分が助ける立場になりたいです。出来ればNGOなどに入り、アフガニスタンの支援が出来たらと思います」
「今アフガニスタンでは学校や病院が日本の支援で建てられていますし、日本のバスも走っているそうです。バスは市民の大事な交通手段です。このような、苦しんでいる人の生活に直結する支援を日本がしている事に感動しました。
難民というと「こわい」というイメージが持たれている気がします。でも辛い経験をしており、優しい心を持っている人が多いと私は思います。だからもっと応援して欲しいです。」
【RHEP(難民高等教育プログラム)とは? 】
RHEPとは、高等教育へアクセスのない難民に対して大学における4年間の学部教育の機会を提供するプログラムです。日本では関西学院大学、青山学院大学、および明治大学がこのプログラムを通して、日本に住む難民の学生を受け入れています。また今年5月、新たに津田塾大学がこのプログラムへの参加を表明しました。
現在、日本に滞在する難民の多くが経済的理由などのために、高等教育を断念せざるを得ない状況に置かれています。その結果、何らかの高等教育を受けた人に比べて雇用機会が限定されています。奨学金と生活費を支援するこのプログラムは、厳しい生活を送りながらも大学で知識や専門性を身につけたいと強く望む難民の学生に大きな希望を与えるものです。